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仮設住宅とは?
知っておきたい基礎知識、CLTを活用するメリットを解説

日本では、一定規模の災害が起こると、災害救助法という法律に基づき応急的に必要な救助が行われます。災害によって、自宅に住むことができなくなった人のために建設される「仮設住宅」もその一つです。
この記事では、仮設住宅に関する基礎知識、種類やCLTを活用するメリットについて解説します。

そもそも仮設住宅とは【基礎知識】

仮設住宅とは、災害救助法により「応急的に必要な救助を行い災害にかかった者の保護の徹底と社会の秩序の保全を図る」ことを目的として、建設される応急仮設住宅を指します。
自らの資力で住宅を確保できない被災者に対して一時的に提供される居住場所なので、利用できる対象や期間などの条件があります。

対象者は?

仮設住宅に入居できる対象者は、「住家が全壊、全焼又は流出し、居住する住家がない者であって、自らの資力では住宅を得ることができないもの」とされています。
ただし、半壊であっても住み続けることが困難な程度の傷みがある、避難指示の長期化が見込まれるなどの場合は、個別に協議が行われ、全壊相当の被害として利用できるケースもあります。

価格はいくら?

建設型応急仮設住宅の建設は、設置にかかる原材料費、労務費、付帯設備⼯事費、輸送費及び建築事務費等の⼀切の経費として、6,285,000円以内とすると定められています。
賃貸型応急仮設住宅の場合は、地域の実情に応じた実費とされています。(2023年1月時点)

何年住める?

仮設住宅を利用できる期間は、原則2年間です。
ただし、著しく異常かつ激甚な災害が発生した場合は、必要に応じて1年を超えない期間ごとの延長が可能とされています。

間取りは?

間取りに際しては各々の身体能力、家族構成、その他の個人的事情も考慮されており、大きく分けて8種類があります。
具体的には、「単身者向け」「2~4人の世帯向け」「5人以上の世帯向け」「高齢者向け」などに分けられています。

間取りに関する詳細は、内閣府「防災情報のページ」でご確認ください。
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/usuzan/database/04/04/01/uzn040401_03.htm

応急仮設住宅の種類

仮設住宅には、「賃貸型応急仮設住宅(みなし仮設住宅)」と「建設型応急仮設住宅」があります。
その他の適切な方法として、使われなくなった公営住宅などが供与されることもあります。

賃貸型応急住宅(みなし仮設住宅)

賃貸型仮設住宅とは、民間賃貸住宅を借り上げ、応急仮設住宅として供与されるものです。

建設型応急住宅

建設型仮設住宅は、公用地又は民地にプレハブ等の仮設住宅を新たに建設し、被災者に提供するものです。
建設型応急住宅には、プレハブ住宅・木造住宅・トレーラーハウス・モバイルハウスなどがあります。

プレハブ住宅

プレハブ住宅とは、プレハブ工法によって作られた家のことです。
プレハブ工法とは、工場であらかじめ生産された屋根、壁、床などを現場で組み立てるという建築工法です。
短い工期で住宅を建てられるため、一時的に利用される仮設住宅や仮設事務所などでよく使われています。

木造住宅

応急仮設住宅は、短い工期での建設が求められるため、プレハブ住宅が一般的でした。
しかし、2011年東日本大震災では、プレハブ住宅に使用する資材が不足したことから、福島県で初めて木造の応急仮設住宅が建設されました。
地元の木材を使ったことや、地元の工務店や大工の雇用にもつながったことなどから、木造住宅の応急仮設住宅が注目されています。

トレーラーハウス

トレーラーハウスは、車両扱いで移動が可能な家のことです。
東日本大震災で建設された仮設住宅は、災害発生から10年を機に取り壊されて破棄されたというニュースがありました。
しかし、トレーラーハウスは仮設住宅としての役目が終わったあとも、事務所や店舗として再利用ができるというメリットがあります。

モバイルハウス

モバイルハウスとは、モバイル建築で建てられた家のことです。
モバイル建築の建物は、コンテナのような形状で基礎部分から分離させることができるので、トラックや船で簡単に移動させることができます。移動可能なモバイルハウスは、平時は地域で活用し、災害時には被災地に移設して仮設住宅して利用するといった使い方が可能です。

震災が起こってから仮設住宅を建築する場合、材料が足りない、工期がかかるといった問題が起こることがあります。
あらかじめモバイルハウスを所有していれば、災害時は移動するだけで仮設住宅としてすぐに利用できるため、災害時の備えの一つとして注目されています。

注目を集めるCLT仮設住宅のメリット

近年、仮設住宅の構造としてCLTが注目を集めています。
CLTとは、ひき板(ラミナ)を並べ、 繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。
木質系材料でありながらもコンクリートに匹敵する強度があり、変形しにくいため、 構造躯体として建物を支持することが可能です。

CLTセルユニットは、国産CLT材を日本伝統技術「蝶蟻」で接合した100%木材の箱型ユニットです。
わずか10日間で建物を完成できるため、仮設住宅の構造体としても注目を集めています。

CLTセルユニットを使った仮設住宅には、以下のようなメリットあります。

・短工期が可能
・再利用できる
・木のぬくもりが感じられ、ほっとできる
・変形しにくい
・断熱性や遮炎性、遮熱性、 遮音性など複合的効果が期待できる

低コストかつ短工期で建設ができるのはもちろん、CLTには断熱性や遮熱性があるため、プレハブよりも室内温度を保ちやすいという特徴があります。
また、CLTセルユニットは、リユースが可能な構造体です。
仮設住宅としての役目を終えたあとは、別の場所に移動させて再利用も可能です。

仮設住宅の建築にはCLTセルユニットが最適!

仮設住宅には、災害発生後の被災者の一時的な住居としての大きな役割があります。
短工期での建設が求められることはもちろん、被災者ができるだけ快適に過ごせる空間作りも非常に大事なポイントです。

CLTセルユニットを活用すれば、仮設住宅が短期間で設置できるだけではなく耐震性、断熱性、遮音性に優れているため、利用者が快適に生活することができます。
仮設住宅の建築は、再利用も可能なCLTセルユニットが最適と言えるでしょう。