COLUMN

コラム

木造建築の魅力、メリット・デメリットや
新たな可能性を紹介

近年、木造建築の建物が見直され、一般住宅はもちろん、学校や病院、図書館や市民会館などの公共施設、保育園や高齢者施設、店舗などでも目にする機会が増えています。
この記事では、木造建築の魅力やメリット・デメリット、木造建築の新たな可能性について解説します。

木造建築の魅力とは?

木造建築とは、主要部分に木材が使われた建物のことです。

海外では石造りやレンガ造りのものも多いですが、日本に現存する歴史ある建物の多くは木造建築です。

これは、日本は地震が多い地域であること、森林資源が豊富であったこと、四季のある日本の風土に適していることなどが理由だと考えられています。

自然素材が使われた木造建築には温かみがあり、落ち着きのある空間に仕上げることができます。

木の香りにはリラックス効果があるとも言われるため、快適で癒される建物作りが可能です。

また、木材は再生可能な資源なので、サステナブルという観点からも注目を集めています。

木造建築のメリット

木造建築には、以下のようなメリットがあります。

見た目以上に強い

木材は、見た目以上に強く、引っ張り強度では鉄やコンクリートよりも高いのが特徴です。

外部からの引っ張りや圧縮をしなやかに受けるため、地震や台風などの自然災害が多い日本の建築物には適した素材だと言われています。

また、木材は鉄やコンクリートに比べて耐震性が低いと思われがちです。

しかし、建築基準法の「新耐震基準」では構造体の種別に関係なく、震度6強~7程度の地震であれば倒壊・崩壊までは至らず、震度5強程度の地震であれば建物機能を保持できるように設計されています。

そのため、木造だから耐震性が低いということはありません。

寿命が長い

木造建築物の法定耐用年数は、建物の用途によって以下のように定められています。

用途耐用年数
事務所用のもの24年
店舗用・住宅用のもの22年
飲食店用のもの20年
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの17年
公衆浴場用のもの12年
工場用・倉庫用のもの(一般用)15年
(出典:国税庁「耐用年数(建物/建物附属設備)」)

法定耐用年数とは、対象の資産を使用できる期間を法的に定めたものです。

対象となる資産の種類別に、「普通に使っていれば、これくらいは使えるだろう」という年数が定められています。

ですが、耐用年数=木造建築物の寿命というわけではありません。

例えば、木造住宅の耐用年数は22年です。

しかし、実際には築40年を超えた木造一戸建ても販売されていますし、築50年を超えた家に住んでいるという人も珍しくはありません。

日本最古の木造建築と言われている法隆寺は、築1000年を超えています。

短工期も実現可能

木造建築には、軸組工法やツーバイフォーなど、いくつかの工法があります。

木造建築の工期は工法によって異なりますが、木材そのものが鉄筋コンクリート造と比べて軽量なため、どの工法においても建てやすく、短工期を実現しやすいというメリットがあります。

調湿性に優れている

木造建築は、湿度が高いと湿気を取り込み、湿度が下がると湿気を吐き出すという自然素材特有の調湿性により快適な環境づくりが可能です。

湿度を一定に保てるため、1年を通じて過ごしやすい空間に仕上がります。

耐火性・断熱性も高い

木造は燃えやすいと誤解している方もいるようですが、そうではありません。

木材には一定以上の厚みがあると燃えにくいという性質があり、厚みのある木材は、仮に火が燃え移ったとしても表面が炭化する程度でとどまります。

また、木造建築に使用されることが多いスギ、ヒノキ、ブナなどは、鉄やコンクリートよりも断熱性に優れています。

木造建築のデメリット

優れた点の多い木造建築ですが、デメリットがまったくないわけではありません。

例えば、木造建築には害虫被害を受けやすく、シロアリの被害に合うと建物の強度が劣化してします。

また、鉄やコンクリートの建物に比べて防音性がそれほど高くありません。

そのため、防音、遮音対策を施した木材を利用し、防音効果を高める必要があるでしょう。

木造建築の新たな可能性「CLT」とは?

「CLT」とは、ひき板(ラミナ)を並べ、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料です。

世界では、オーストリアを中心に循環型資材として普及しており、加工自由度が非常に高い構造体として利用が拡大しています。

CLTには、以下のようなメリットがあります。

・変形しにくい

・RC(鉄筋コンクリート)並の強度

・循環型資材

・断熱性、遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的効果

SAIグループホールディグスが手掛ける「CLTセルユニット」は、国産CLT材を日本伝統技術「蝶蟻」で接合した新たな木造工法による箱型ユニットです。

2.3×5×3 mの木製ユニットを基本とし、複数のユニットを組み合わせることで、短い工期でデザインの自由度が高い新たな建築工法を可能とします。

また、CLT材の活用促進は、日本の森林保全や林業発展の支援にもつながります。

自然環境の改善、持続可能な社会づくりなどの観点でメリットも大きく、日本政府もCLT材利用に関わるさまざまな政策を推進していることからも、今後さらなる可能性が期待されています。

CLTの組み合わせは無限大!可能性が広がる木造建築に注目しよう

CLTセルユニットは、サステナブルな木造建築を実現する環境に優しい構造体です。

短工期での建築が可能で、移築を前提とした工法のため、緊急時の避難所や仮設住宅としても活用されています。

ユニット単体での使用はもちろん、複数のユニットを並べて使う、重ねて使う、他構造と組み合わせて使うなど、発想次第で組み合わせは無限大です。

新たな可能性が広がる木造建築に、ぜひCLTセルユニットをご活用ください。