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建築用語「構造体」とは?
主な種類とそれぞれの特徴を解説

「構造体」は、家を建てる際にぜひ覚えておきたい建築用語の一つです。
この記事では、構造体とは何か、主な種類と特徴について分かりやすく解説します。

構造体とは

構造体(こうぞうたい)とは、建物を支える骨組み部分を指す建築用語です。

建築基準法施行令第1条3号では、「構造耐力上主要な部分」として、以下の部分が定義されています。

・基礎
・基礎ぐい
・壁
・柱
・小屋組
・土台
・斜材(筋かい、方づえ、火打材その他これらに類するものをいう。)
・床版
・屋根版又は横架材(はり、けたその他これらに類するものをいう。)
建築物の自重若しくは積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧若しくは水圧又は地震その他の震動若しくは衝撃を支えるものを指す。
(出典:建築基準法施行令

また、建築基準法2条5号では、「主要構造部」として以下の部分が定義されています。

・壁
・柱
・床
・梁
・屋根
・階段
ただし、建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、附け柱、揚げ床、最下階の床、廻り舞台の床、小ばり、ひさし、局部的な小階段、屋外階段など、これらに類する建築物の部分は除く。
(出典:建築基準法

構造体と躯体の違い

躯体(くたい)とは、構造体の総称指す建築用語です。
躯体は、構造体の主要材料の種類によって、木造、ブロック造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造(S造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)などに区分されます。

構造体の主な種類と特徴

構造体は、主要材料の種類によって特徴が異なります。
ここでは、主な5種類の構造体について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

木造(W造)

木造は、木で作られた構造体です。

木材には水分を吸収、発散することで湿度を一定に保つ調湿作用があり、日本の気候に適していると言われています。また、木材は鉄骨やコンクリートと比較すると軽量なため、建築がしやすく、建築工事にかかる費用を軽減できるというメリットもあります。

一方で、木造の構造体はシロアリなどの害虫被害を受けやすいため、対策を講じておく必要があるでしょう。

鉄骨造(S造)

鉄骨造(S造)は、鉄や鋼で作られた構造体です。

鉄骨造のメリットとしては、耐震性、耐久性の高さが挙げられます。特に厚さが6mm以上の鋼材を使用した重量鉄骨造は強度が高いため、3階建て以上の建物によく利用されています。

一方で、鋼材が厚くなれば強度は増しますが、重量も増えてしまいます。
重さに耐えられるように地盤強化のための工事が必要になるため、建築費用がかさむ点は鉄骨造のデメリットと言えます。

鉄筋コンクリート造(RC造)

鉄筋コンクリート造は、コンクリートで作られた構造体です。
鉄筋を組み立てた後、その周りを枠で囲んでコンクリートを流し込むことで、基礎や主要構造部を作ります。

鉄筋コンクリート造のメリットは、耐火性、耐震性、防音性に優れていることです。

一方で、コンクリートは流し込んでから強度が出るまでに一定の期間が必要なため、鉄筋コンクリート造は、工期が長くなりやすいです。
また、コンクリートには温まりにくく、冷めにくいという特性があるため、冬の暖房や夏の冷房が効きにくい点も、鉄筋コンクリート造のデメリットと言えるでしょう。

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)

鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)も、コンクリートで作られた構造体です。
鉄骨の柱の周りに鉄筋を組み、コンクリートを流し込んで基礎や主要構造部を作ります。

鉄骨鉄筋コンクリート造のメリットは、耐震性、耐火性の高さです。強度の高い鉄骨鉄筋コンクリート造は、大型マンションやビルなどの大規模の物件でよく使われています。
また、鉄骨があることで柱や梁を小さく細くできるので、鉄筋コンクリート造(RC造)と比較して部屋を広くできる点もメリットの一つです。

一方で、鉄骨と鉄筋コンクリートを併用しているため、建築費用が高額になりやすく、工事期間も長期化しやすいというデメリットがあります。

コンクリートブロック造(CB造)

コンクリートブロック造(CB造)は、コンクリートブロックを積み重ねて作られた構造体です。
コンクリートブロックの内部の空洞に鉄筋を通し、モルタルなどで補強して強度を確保することができます。

コンクリートブロック造は、耐火性、耐震性に優れており、鉄筋コンクリート造よりも費用を抑えた建築が可能です。

一方で、防湿性が低い、増改築がしにくいなどのデメリットもあります。
コンクリートブロック造は、小規模な倉庫や外壁として使われることが多く、戸建て住宅のような大きな建物に使われることはほとんどありません。

環境に優しい構造体「CLTセルユニット」とは?

ここまで解説した通り、構造体は主要材料によって耐久性、耐震性、耐火性、防音性などの効果、建築費用や工期などに違いがあります。一般的に耐久性や耐震性が高い構造体ほど、費用はかさみ、工事期間は長くなる傾向にあります。

SAIグループホールディングスが手掛ける新たな建築構造体「CLTセルユニット」は、国産材100%のCLTを日本の伝統技術「蝶蟻」で接合した箱型ユニットです。
CLTとは、ひき板(ラミナ)を並べ、繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料で、変形しにくく、RC並みの強度があり、断熱性、遮炎性、遮熱性、遮音性など複合的な効果が期待できるという特徴があります。

CLTセルユニットは、2.3×5×3 mを基本とする箱型ユニットを工場で組み上げ、現地に運びます。
現地では据え置きまたは連結させて設置するのみなので、工期を大幅に短縮でき、建築費用を抑えられるのも魅力です。
また、CLTセルユニットは移築やリユース建築を前提とした循環型資材なので、環境に優しく、サステナブルという観点でも注目を集めています。

新たな建築構造体CLTセルユニットを活用しよう

構造体は、建物を支える重要な部分です。高い耐久性、耐震性、耐火性などが求められますが、主要材料の強度が高くなるほど建築費用がかさみ、工期が長期化するなどのデメリットもあります。

SAIグループホールディングスが手掛けるCLTセルユニットは、まだまだ新しい建築構造体ですが、耐久性、耐震性、耐火性に優れ、断熱性、遮炎性、遮熱性、遮音性などの複合的効果も期待できます。また、リユース可能な循環型資材であることから、近年、政府もCLTの活用を推進しています。
新たな建築構造体CLTセルユニットに、ぜひ注目してみてください。